【1】 宅地建物取引業の新規免許申請(宅建業免許の概要)


(1)宅地建物取引業免許が必要な方

 

宅地建物取引業とは、宅地又は建物について次に掲げる行為を業として行うものをいいます。

 

①宅地又は建物について自ら売買又は交換することを業として行うこと

 

②宅地又は建物について他人が売買、交換又は貸借するにつき、その代理若しくは媒介することを業として行うこと

 

すなわち、免許を必要とする宅地建物取引業とは、不特定多数の人を相手方として、宅地又は建物に関して上記の行為を反復又は継続して行い、社会通念上事業の遂行とみることができる程度のものをいいます。

 


(2)宅地建物取引業免許の種類

 

宅地建物取引業を営もうとする者は、宅地建物取引業法(以下「法」という。)の規定により、国土交通大臣又は都道府県知事の免許を受けることが必要です。

 

●国土交通大臣の免許 = 2以上の都道府県の区域内に事務所を設置してその事業を営もうとする場合

 

●都道府県知事の免許 = 1つの都道府県の区域内に事務所を設置してその事業を営もうとする場合

 

宅地建物取引業の免許は個人と法人(株式会社、有限会社、公益法人及び事業協同組合等の商法、民法又はその他の法律によって法人格を有するもの)が受けることができます。

 


(3)宅地建物取引業免許申請にかかる費用

 

◆知事免許(新規)…登録免許税3万3千円(現金で納入)

 

◆大臣免許(新規)…登録免許税9万円(現金で納入)

 


(4)宅地建物取引業免許取得までの期間

 

◆知事許可…申請書受付後30日~40日(通常)

 

◆大臣許可…申請書受付後100日(通常)

 

※窓口(一次)審査が終了し、受付を済ませてからの期間ですのでご注意ください。

 


(5)宅地建物取引業免許の要件

 

■宅地建物取引業免許を受けられない方

 

免許を受けようとする者が、次に掲げる「欠格事由」のひとつに該当する場合、また、免許申請書又はその添付書類の中に重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事項の記載がかけている場合は、免許の申請をしても拒否されます。

 

●主たる欠格事由

・5年間免許を受けられない場合 

(1)免許不正取得、情状が特に重い不正不当行為又は業務停止処分違反をして免許を取り消された場合

 

(2)免許不正取得、情状が特に重い不正不当行為又は業務停止処分違反をした疑いがあるとして聴聞の公示をされた後、廃業等の届出を行った場合

 

(3)禁錮以上の刑又は宅地建物取引業務違反等により罰金の刑に処せられた場合

 

(4)免許の申請前5年以内に宅地建物取引業に関して不正又は著しく不当な行為をした場合

 

・その他 

(1)成年被後見人、被保佐人又は破産宣告を受けている場合

 

(2)宅地建物取引業に関し不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかな場合

 

(3)事務所に専任の取引主任者を設置していない場合

 

 

■会社の事業目的

 

宅地建物取引業の免許申請は、個人又は法人のいずれでもできることになっていますが、特に法人の場合は「商業登記簿謄本」の事業目的欄に宅地建物取引業を営む旨が記入されていることが必要です。

 

申請者の称号又は名称については、「法律によって使用を禁止されている場合」等、制限がありますのでご注意下さい。

 

 

■事務所について

 

免許制度において事務所は重要な意味をもっています。

 

事務所の所在が免許権者を定める要素となっており、また、事務所には専任の取引主任者の設置が義務付けられています。

 

さらに、事務所の数に応じて営業保証金を供託しなければなりません。

 

このように事務所は重要な意味をもっているので、業法第3条第1項において事務所とは「本店、支店その他の政令で定めるものをいう。」と規定し、明確化を図っています。

 

政令では次の二つを業法上の事務所として定めています。

 

1.本店又は支店

 

2.前記1の本店又は支店のほか、「継続的に業務を行うことができる施設を有する場所」で、宅地建物取引業に係る契約を締結する権限を有する使用人を置くもの

 

※本店で宅地建物取引業を行わなくても、支店で宅地建物取引業を営みますと、本店も宅地建物取引業の「事務所」となり、この場合、本店にも営業保証金の供託及び専任取引主任者の設置が必要となります。

 

※事務所の形態の一般的な解釈としては、物理的にも社会通念上も宅地建物取引業の業務を継続的に行える機能をもち、事務所として認識される程度の独立した形態を備えていることが必要です。一般の戸建住宅、また、マンション等の集合住宅の一室(一部)を事務所として使用すること、同一フロアーに他の法人等と同居する場合、仮設の建築物を事務所とすること等は原則として認められていません。

 

 

■専任の取引主任者

 

【宅地建物取引主任者とは】

 

宅地建物取引主任者(以下「取引主任者」という。)は、宅地建物取引主任者資格試験に合格後、取引主任者資格登録をし、取引主任者証の交付を受けている者をいいます。

 

取引主任者には、事務所ごとに専任の状態で設置しなければならない専任の取引主任者と、それ以外の一般の取引主任者とがあります。

 

どちらも、重要事項説明等取引主任者としての業務内容は同じですが、専任の取引主任者は、業務に従事する状態が事務所ごとに「専任」でなければなりません。

 

【「専任性」とは】

 

①当該事務所に常勤して、②専ら宅地建物取引業の業務に従事することが必要です。

 

【専任の取引主任者の設置】

 

業法は、免許制度に加えて、宅地建物取引業者に宅地建物の取引に関する専門家としての役割を十分に果たさせるため、その事務所等に一定数以上の成年者である専任の取引主任者を設置することを義務付けています。

 

この「一定数」とは、国土交通省令で定められており、一つの事務所において「業務に従事する者」5名に1名以上の割合とし、業法第50条第2項で定める案内所等については少なくとも1名以上の取引主任者の設置を義務付けています。

 

専任の取引主任者の数が不足した場合は、2週間以内に補充等必要な措置を取らなければなりません。

 

※新規免許申請の際、専任の取引主任者は、「取引主任者資格登録簿」に勤務先名が登録されていない状態であることが必要です。

 


(6)宅地建物取引業免許取得までの流れ

 

★お気軽にお問い合わせ・ご相談下さい!

 

(1)宅地建物取引業免許申請に関するヒアリング

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(2)お申込み「お客様」

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(3)ご依頼・ご入金「お客様」

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(4)申請書類の作成・必要書類の収集「当事務所」

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(5)必要書類の収集「お客様」

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(6)申請書類への押印「お客様」

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(7)宅地建物取引業免許申請書を審査窓口に提出「当事務所」

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(8)窓口(一次)審査を終えた後に手数料を納入「当事務所」※現金3万3千円を持参します。

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(9)受付

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(10)審査(欠格事由等の審査及び事務所調査等)※審査期間は書類受付後、約30日から40日です。

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(11)免許(普通郵便葉書で申請者の事務所本店宛に通知されます。)

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(12)「営業保証金の供託」又は「保証協会への加入」

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(13)免許証交付

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(14)営業開始!

 


(7)宅地建物取引業免許の有効期間

 

宅地建物取引業の免許の有効期間は5年です。

 

有効期間の満了後引き続き業を営もうとする者は、その有効期間が満了する日の90日前から30日前までの間に更新の免許手続きをすることが必要です。

 

なお、この手続きを怠った場合は、免許が失効となり、更新の手続きをしないまま宅地建物取引業を営みますと、法第12条違反(無免許事業等の禁止)で罰則が科されます。